MAOP7 Gen2
第一印象通り、くっきりした音が出る。高音はちょっとざらついた感じするが、私は嫌いじゃない。弦の響きがすこぶる良い。低音の応答も良い、と思っているが、下記の通り、少し大き過ぎる箱に入れて低音を伸ばしていると思われるので、ノーマルじゃない音を気に入ってしまったかも。
14.5Lの箱に入れている。共鳴周波数55Hz程度で、WinISDを用いた簡便シミュレーションでは、低音が多少凹むのを許容して可能な限り低音を伸ばすような設定になっていると思われる。バッフルステップを考慮するとかなりへこんでいるかもしれない。でも、どうやらバスレフポートから出てくる低音の遅れは減退して(本当?)、低音の弱さも脳内で補正されるのか、すごくいい感じにレスポンスよく、かつ、広いレンジで鳴っているように聴こえて、気に入っている。
インプレッション3: ボーカル曲(ポップス)も悪くない
中古で入手した際に、譲ってくださった方からエージングが済んでないかも、と言われていたが、確かにその通りで、ひと月経過した今は、入手時に感じた高音への不満もなく、すごく満足できるようになった。
これまで、自分のオーディオでは、80〜90年代の国内のポップスがあまりうまく鳴らなくて(Scan-Speakの5cmはうまく鳴らしてくれた)、昔の録音だから良くないのかと思っていたけど、違うみたい。MAOP7だと普通に鮮やかに再生されて、満足度高いです。当時の音は、応答の遅いスピーカーで鳴らすと、情報量が落ちてしまうのかも知れません。
今は、フルレンジ一発にかなり満足してます。いずれ、2-wayへの揺り戻しが来るのも分かってるのですが、しばらくこのままいろんな音楽を聴きつつ、MAOP7の音を頭に焼き付けていこうと思います。(たくさん、エージングしないといけないユニットがあるので、MAOPだけというわけにはいかないですが。)
インプレッション2: ボーカル曲(ポップス)なんて聴いてる場合じゃ無かった
メインのスピーカーとして使っているParadigm Premier 200Bでは、繊細な響きが平坦化されてしまって、演奏の魅力を伝えられません。200Bは、リア・バスレフがブーミーなので、念のため後ろの壁(ふすま)をとっぱらい、かつ、グリルもとっぱらってみたのだけど、MAOP7との差は如何ともし難く、もはや、MAOP7が200Bを超越してると言う他ない。MAOP7を載せている箱にMAOP7より高音域が延びているPluvia 7 HDを載せていたときは、低音のブーミーな200Bの方が良い演奏を聴かせてくれるケースが多いと思っていたので、フルレンジと2-wayの違いとか、箱の違いとかじゃなくて、純粋にユニットの性能差(価格差)が音に現れたという感じ。 バイオリン曲もいくつか聴いてみたけど、こちらもいい。
弦楽器は生で聴くのがいいと思ってるけど、それは、スピーカーへの要求が高いからでもある。このユニットは、名演奏をライブで甦らせる力があると思う。
ピアノは、私は優しいタッチのグールドやアシュケナージの曲ばかり聴いてきたので、あまりタッチだけを気にして聴かないのだけど、鋭いタッチの演奏も聴いてみようと思う。今調べたら、アシュケナージはタッチが固い、と言ってる人もいて、アレってな感じなのだけど、まあ、昔はろくなスピーカーで聴いてなかったので、今から、タッチの違いも楽しんでみよう(→やはり、昔のスピーカーが悪かったみたいで、アシュケナージのタッチは鋭い。それでいて温かみのある演奏)。
昔の記憶では、ポリーニが固かったかなー。ポリーニは、手元に唯一モーツアルトのピアノ協奏曲23番(ベーム指揮)があるので聴いてみたら、おー、今聴くと、確かに、タッチが美しい。演奏は微妙で、ポリーニというよりは、ベームのモーツァルトを聴いてる感じ。
23番は別に好きな曲じゃないんだけど、とりあえず23番つながりで、バレンボイムの23番(クーベリック指揮)をApple Musicで探して聴いてみると、こちらの方が楽しく聴けていい。第二楽章の出だしのしっとりとしたタッチが素晴らしい。(この曲の華である)第三楽章の出だしもいい。ポリーニよりも断然いい!!
他には、ケンプの23番(ライトナー指揮)のポロロンと軽やかな演奏も、好きです(でも、録音が古い、リマスターされてて良くなってるんだけれど。ケンプのピアノは他の新しい演奏を聴きたい)。
という感じに、ピアノ鑑賞を始めたら、どっぷり楽しめそうですが、せっかく弦楽奏の魅力を伝えてくれるスピーカーに巡り合えたので、しばらく弦楽曲鑑賞の旅に出るつもりです。
とりあえず、ハイドンの弦楽四重奏を何日か流した後で、昔挫折したバルトークの弦楽四重奏にどっぷり浸かる予定。このスピーカーだったら楽しめると確信してる、再生周波数域が少し足りてないが、繊細な響きを聴かせてくれるので。
ファーストインプレッション
Markaudioの10cmドライバの上位機種で、Pluvia 7 HDをベースにMAOPコーンを搭載したユニット。中古で入手したが、新品に近くエージングが済んでいない可能性もあるので、主に女性ボーカル曲(ポップス)を流し聴きしながら、最初の印象をば。 同じ箱に載せていたPluvia 7 HDとの比較では、高音が抑えられて、低音にシフトした感じ。全体的に音がくっきり、濃くなった感じで、応答の良さ(周波数によってバラけずに収束された応答の速さ)を感じる。女性ボーカルや弦楽器やピアノの音色は、MAOP7の方が個人的にしっくり来る。高音が若干マイルドなので、ツィーターを加えるべきか迷うところ。低音の方は、私にとっては十分で、サブウーファー不要。(高音不足と感じたのはエージング不足が原因のようです。) Pluvia 7 HDがペアで約1万7千円(コイズミ無線販売価格)、MAOP7がペアで約4万6千円と、倍以上の価格なのだが、そこまでの情報量の違いは感じない。箱が同じであれば、3万円の価格差なりの違い、というか、たとえば、6万円のスピーカーを9万円にした程度か。 だが、しかし、コーラスとかが明らかにリアルで良くなったので、MAOP7を入手して後悔することはないと思う。応答の速さは、満足度に大きく影響する。ユニットのエージングや、アンプをatollからrotelに切り換えた影響もあるが、Pluvia 7 HDを載せていた15L箱への不満(音の薄さ)が解消された感じ。箱を換えて、もっと良い音出せないだろうか、という欲も湧いてくる。
T/SパラメータのVasとQtsを見る限り、今MAOP7を載せているバスレフ箱の15Lという容積は、MAOP7よりもPluvia7 HDに適合するサイズなので、単純にT/SパラメータやF特性だけで性能を推し量るのは無理、という良い例かも。MAOP7の低音がPluvia 7 HDより延びているのは、Xmaxの違いが効いているのかも知れない。
状態の良いMAOP7の中古を、お値打ちで譲ってくださる方がいて良かった。このユニットは、低音増幅を狙った凝った構造の箱は合わないと思う、低音に遅れが出るので。かといって、密閉箱に入れてサブウーファーと組み合わせるのはもったいない気がするので、シンプルなバスレフ箱に載せて、フルレンジとしての本分を全うさせるのが良さそう。
NC7Kitの製作が楽しみになってきた。こちらは容積が10Lと小振りなので、MAOP7に最適なのでは。(はよ、作れって?)